何故か手に温かみを感じた。
守ってくれているようなそんな感じを。

その温かさを感じながらゆっくりを目を開けた。


華『ん………』


目を開けた瞬間白い天井が見えた。

薬などの独特な匂いがして病院だということがわかった。

そして目だけを動かし辺りを見渡した。


手を握って寝ている黒髪の男がいた。

この男どこかで………あ、あのとき打たれそうになってた男だ。

少しの間握られている手を見ていると男が目を覚ました。


狼『ん?……………。』


目を覚まし私の顔を見つめ男は固まった。
数秒固まっていたと思う。

私はその男に声をかけた。


華『大丈夫ですか…?』


その声は自分でも驚くほど枯れていて少し戸惑ったがその声を聞き我に返ったのか男が言った。


狼『あ、あぁ。いきなり目覚めてたから驚いただけだ。』


華『そうですか。え、いきなりってどういうことですか?』


狼『お前、1ヶ月寝てたんだぞ?』


華『い、1ヶ月?!だから声が枯れてるんだ………あの…水を持ってきてくれませんか?』


遠慮がちに言うと


狼『あぁ。少し待ってろ。』


男はそう言って病室から出て行った。