ケータイ小説 野いちご

シンデレラの一族


己の白髪を少しだけ弄って、「…いただきます」と小さな声で呟いた。

白髪は、なにをしても無駄なのを知っている。

絶対に染まらないのだ、この髪は。

それを恨んで、小さい頃から結構手は尽くしてるんだけど。


ため息を堪えて、お母さんを眺めた。

朝、お母さんはいつもはパジャマだけど、今日は違った。

上着を着れば完成のスーツ姿だ。

それも入学式とかに着る感じの。

…まあ入学式なんだけど。


「……?」

ppp…と短く携帯がなった。

身の安全のために持たされているそれが知らせたのは、メールである。


「美夜ちゃん?」

「…かも」

マナーのなっていない私は、食事中にそれを確認した。


【瑠璃〜!今日入学式でしょ?おめでとー!】


短いけれど愛の伝わるそれに、少し苦笑い。

率直の方が私は好き。


美夜は予定外で愛してしまった友達だ。


名門私立中高一貫に通う私と違って、そこらへんの公立中学に通う美夜。

離れてもきっと友情は変わらない。

いや、変われないの間違いか。

秘密を共有する楽しさを知ってしまった私が、戻れなくなっただけ。


まるで、麻薬みたい。


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