オレら4人は一斉に驚く。

だけどユウの友達は、驚いた様子もなくニコニコ笑っている。

彼女たちは同じクラスだし、既に知っていたんだろう。


「浅野って、誰?」


なるべく平静を装って尋ねる。


「浅野君やん! ほら、小学6年の時、転校していった……」


アイツか……。

以前、ユウと教室で話していた男。

もう、顔も思い出せないけど。


「つか、オマエ、山本はどうしてん! 山本は!」


山本というのは今は別の高校に通ってるが、オレらと同じ中学出身のヤツ。

ユウとはたしか半年ほど前から付き合っているはず。


「うーん……。問題はそこやねん。まだ言ってないねんなぁ。まぁ……最近、連絡ないし。自然消滅かなっ。あはっ。」


あはっ……て。

あはっ……じゃねーだろっ。


オレらは頭を抱えた。



――またかよ。


ユウとオレは幼稚園の頃から親同士も仲良くて、兄妹みたいに育った。

ずっと一緒にいたのに、不思議なぐらいお互い意識し合うことはなかったんだ。


――中1の夏まではね。