ケータイ小説 野いちご

シローせんぱいのこと。





「起立、礼ー」



キンコンカン、と鳴りだすチャイムと日直の号令。それとともに終わりを告げた、4限目の国語の授業。

その瞬間みんなは一気に開放感につつまれたように、立ちあがったり、机にふせたり、思い思いに昼休みをむかえる。



「えなー、お昼ごはん……」

「ごめんね、あっちゃん。わたし今日も準備室いってくる!」

「あー……はいはい。今日もいとしのシロー先輩のところね」



あきれたように言う、ショートカットの女の子・あっちゃんに「ごめんね」と手をあわせると、わたしはお弁当の入ったランチトートを持って2年A組の教室を出た。



友達、恋人、先輩後輩……それぞれに仲のいい人と校内のスキなところでごはんを食べることが許されている、この高校のお昼休み。

その時間に、中学からの仲で親友のあっちゃんよりも優先して、一緒にすごしたい人がいる。



そう、さっきあっちゃんがあきれた顔で言った、『いとしのシローせんぱい』。その人、だ。




< 2/ 93 >