「でもちえにはふたりの方がイチャイチャしてるように見えるなー。
甘すぎてウザーい」

「どこがや」

「だってあれじゃーん。
さっきもたっくんは彼女として連れて行くのが恥ずかしかったんだと思うよー。
あんちゃん、付き合いはじめてからまだ家に行ったことないでしょー?」



さっきのケンカの原因を持ち出され、うぐぅと言葉を詰まらせる。



でもな、ほんまはそんな理由ちゃうって、あたし知ってんねん。



そんな、可愛い理由やったらどんだけ嬉しかったか。

幸せやったか。



達郎はただ、……あたしなんかを連れて行きたくないだけ。

調子乗んなってこと。



ちえはそんなことこれっぽっちも知らんから、ふふーっと笑って楽しそうで……。

それがめっちゃ、あたしのなにかを痛いなぁって感じさせる。



痛い、痛いよ。

哀しすぎるわ。

















あたしと達郎は確かにカレシカノジョ。



せやけど、好きなんはずっと。

ほんまずっと、あたしだけ。