「もー、ほんまなんなん?
ケチケチしんとってや」



昼休み。

2年3組の教室内であたし、道越 杏奈(みちこし あんな)はうつ伏せて机をバンバンと叩いた。

おでこがひやーって冷たくなる。



肩に届くか届かんか、って感じの茶色がかった色素の薄い髪は、無理にふたつに結んでいるから首がこそばゆい。



んんん、最近ちょっと短くしたせいやけど、やっぱこの髪型むずむずする。

でもこれ以上切りたないし、伸びるの待つしかないんよなー。






今は、胸のあたりまであるふわふわの黒髪にハートの飾りつきヘアピンで前髪をとめている毒舌美少女、篠木 ちえ(しのぎ ちえ)と。

その彼氏であり正義感溢れるみんなのお兄さん的存在、村上 俊介(むらかみ しゅんすけ)。

そしてダークブラウンの癖っ毛に笑顔だけ可愛くて彼氏のくせに意地悪なヤロー、逢坂 達郎(おおさか たつろう)の4人で1ヶ月後のクリスマスパーティーの計画を立てていた。





3人は小学1年生の頃から仲よしで、あたしが大阪から転校してきた5年生以来は4人でおることが多い。

今年は、達郎たちは隣の4組になってしもたけどな。