原田さんに貰った簪をつけ、店を出る。
「....?あ、鈴音、簪買ったのか!」
「うん!原田さんが...」
「へえ、左之さんが...簪、よく似合ってるよ!なあ、平助?」
「おう!すっげー似合ってる!可愛いぜ、鈴音♪」
照れながらも私はありがとう、と微笑む。
「じゃあ次は甘味屋だね」
沖田さんは私の手を引いて歩き出す。
「あー!沖田ずりぃ!鈴音と手ぇ繋いでやがる!」
「同感だが...平助、うるせえよ」
そんな会話と二人が後ろから追ってくる。
そして四人で並んで歩きながら他愛もない話をする。
「んー...それにしても、今日は静かだね。」
「確かに、いつもなら馬鹿な男たちを時々見かけるけど、今日はめっきり数が少ない」
「...?」
町には行くのは今日が初めてな私には良く分からない話だった。