ーーー春。


夜の島原はたくさんの人で
どんちゃん騒ぎだ。

その中でもひときわ豪華なお店で
私は島原1の女として生きている。

「鈴ちゃん!忙しいところごめんなさいね、奥の部屋のお酌お願いするわ」

鈴、と呼ばれた私は振り返る
いつもこの店でお世話になっている寧々 ネネ 様だ

鈴 スズ、とは島原での名前だ。
私の名前は鈴音 スズネ

「--では。ごゆるりとお楽しみくださいね」

そう言って笑顔をみせ、部屋から出る