「あ?」


「あ、ああ、いやいやっ何でもない」



見とれてましたとは言わず、流川の足元をささっと通り過ぎる。


座イスに座ってお水をこくっと飲んでから、一応聞いてみた。



「流川、どうだった? 温泉」



寝転がったままの体勢で私に顔を向けた流川は、



「どうもこうもねーよ。ったく」



苦いものでも食べような顔つきだ。



「すげーのがいたぞ、風呂に」


「うん、すごかったろうね」


「?」



私の返答に、きょとんとする流川。


その顔、ちょっと萌え。