「やっぱ、ここのお風呂はサイコーだよね!」
「ホント。あ~~気持ちいい~♪」
ひろーい浴槽は、温泉ならでは。
それにここは、湯質もいいし温度もちょうどいい。
加えて、ガラス張りの窓の向こうには、一面の雪景色。
おばあちゃんの団体さんが出ていった後は、贅沢な空間は私たちの貸し切り状態になった。
「うひょーい! 背泳ぎ再び!」
「麻紀……」
もうちょっと恥じらいというものを持ちなさいっ。
相変わらずナイスバディだけどっ。
風情とか羞恥とかいう言葉がないのか、あんたの辞書には。
「唯衣もやってみなよー、気持ちいいよ」
「やりません」
しぶきをガンガン上げまくって泳いでいる麻紀を無視して、窓際まで移動。
おでこをくっつけて、外の景色をゆっくり眺めてみる。
夕日の残り陽に照らされた雪の粒は、キラキラ光ってすごくキレイ。
あ~、毎日こんなお風呂に入れたらいいのになぁ。