初めて会った隼人先輩はこの短時間に自分の連絡先を書いたメモを渡し、さらには告白までしてしまった。
 隼人先輩が本気なのかその辺はあまり問題視してなくて、ただただ自分の不甲斐なさを嘆くのみ。
「俺さ、御園生の前に出るとあがっちゃってだめなんだ」
「中学んときから?」
「ま、そうかな……」
「確かにかわいいけど、そこまで緊張する?」
「放っといてくれ……」
「いやいやいや、今日ってかまっちゃんのためにあるような一日っしょ。ここでスルーしたらどこでいじるのさ」
 まったくもってそのとおりである。
 今日何もアクションを起こさなかったら、それこそ今日で終わりだ。
「チャンスはあと一回でしょ?」
 ハルの顔を見ると、
「午後、カフェに行かない手はないでしょーが」
 言われてゴクリと唾を飲みこんだ。
「うん……午後こそ――」