ポツリと呟いた彼女の言葉は、地面に吸い込まれる様に消えてゆく。


「自分に自信が持てないの……己園や七智が色々気遣ってくれているのも分かってる。だけど、だけど………」


「分かった。分かったから、もう言わなくていいよ」


ポンポンと頭を撫でて、苦しそうに顔を歪める風家を制止した。


色々聞きたい事はあるが、今はコイツに頑張らせる時ではないと判断したからだ。


「ありがとう……」


この小さな小さな呟きを聞いたのは――――…オレ1人と、真剣な瞳で飼い主達を見守り続けていた、これまた小さなチワワ2匹だけだった。