「あいつに会ったぞ…」



【…ビクン…本当に…会っ

たんだ……ズキッ】



「会社クビになったぞ!

あいつも可哀想な奴だな

イタ電したの認めた途端

にお偉いさんが…櫻井は

もう社員ではないので別

の場所で話して下さい…

だってよ!!」



【ズキッ…ヒドイ……TUN

が可哀想……クビにする

のって……そんな簡単な

の??】



あたしは世の中の厳しさ

に無知過ぎた。



《なんで行ったのよ?

こないだは行かなかった

くせに…》



「随分と偉そうだな?自分

の立場を考えろ!こない

だ雛ちゃんに電話で何か

頼んだろ?お前の考えて

る事は分かるんだよ!

あいつの所に行くつもり

だったろ?!」



パパに見抜かれていた。



《だからって会社に行く

なんて…イタ電だけでし

ょ?それだって毎日じゃ

ないんだよ!!》



「は?なんだ?またあいつ

と話したのか!車の悪戯

とかは認めなかったけど

どーせあいつだろ!俺が

会社に行ったのはふたり

を二度と会わせねー為だ

わかったか?!」




二度と逢わせない?



TUNとあたしはそんな

簡単じゃない――――