あくびをもらしながら、てくてく歩くこと数分。
スーパーは特別にぎわってることもなく、いつも通り営業されている。
「あ!」
「……ん?」
牛乳やヨーグルトなどの乳製品のコーナーへ行くと、見知った人を見つけた。
その人の両手には、ぶどうゼリーとりんごヨーグルトがある。
「氷野くんも買いものですか?」
「んー」
わたしにちらっと目を向けたあと、また手にあるカップを凝視する氷野くん。
いや、どっちでもい……じゃなくて、どっちもおいしいんじゃないかなぁ。
真剣な氷野くんに、そんなことを思う。
「あんたはどっちが好き?」