お、おとす……!?


楽しそうに笑う茉美さんに、わたしの顔はさあっと青くなる。


むりむりむり。 なに言ってるんだ茉美さん。 氷野くんと話すだけで精一杯のわたしが……うん、むりだ。



「それじゃあ、また話そうね。 お菓子ありがとう」


「はい、 失礼します!」



最後までにこやかな笑顔の茉美さんがドアの奥に消えて、わたしは一息つく。



好き、と。


それを意識すると、それこそわたしは氷野くんと面と向かって話せない気がする。


だから、なるべく普通に、あくまで普通にね。


変な態度をとらないように、うまくご近所づき合いできたらいいなぁ……。