その後俺は、藤沢に届いた兄貴からの手紙を渡した。

その場で読んでいた藤沢は、泣いていた。

俺の目の前だけど、思い切り泣いていた。

俺はそんな藤沢を見て、さらに決意を固めたんだ。


内容は読まなくても分かる気がした。



藤沢は泣きやんだ後言った。


「京介がね、夕斗君や隼人君に出会う事があればよろしく頼みたいって手紙で書いてあったよ。やっぱり、京介が夕斗君に出会わせてくれたんだね」


と、少しすっきりした口調で言っていた。




兄貴、サンキューな。




俺はこの時すでに、藤沢に別の感情が芽生えていたのかもしれない。

けど、ちらつく「兄貴の彼女」というフレーズ。



そして、それから半年後……俺と藤沢の関係が動き出す。