戻る事はないと

思っていた帰り道を

また通っていた。



【また…逢えるよね…

ズキン……待ってるから…

あたし……グスン】



流れる景色をタクシーの

窓から見つめた。



【…ぁ……ドクッ…もしか

して…あの時……そうだ

写真は燃やしてたけど

名刺は見てない…】



パパはきっと名刺を見て

TUNの会社に行ったの

だろう。



【もっとあの時に注意し

て見ておけばよかったょ

ズキッ……そうすれば…

TUNは……グスグス】



あたしは自分を責めた。



徐々に見覚えのある風景

が視界に入ってきた。



【帰りたくない…ょ…

パパの顔なんて……見た

くない……ズキン】



どんな顔してあたしと会

うの?



どんな風にTUNの話を

してくるの?




パパは今どんな気持ちで

いるのだろうか――――