「てめえ、ふざけんなよ!」 罵声と共に女達が部屋に乱入してきた。 「あたしの財布から金盗っただろ!」 蒸し暑い真夏の夜。 開け放した窓は、女達によって閉められていく。 「シカトしてんじゃねえよっ!」 背中の真ん中まで伸びたあたしの髪を鷲掴みにするのは、タメの奈央(ナオ) ――ブチッ…… 髪が切れる音がした。 「札が1枚足りねぇんだよ!てめえだろ!」 ここはあたしの家―――双葉(フタバ)園。