桃(…。ここ…どこだろう?)

?「桃香…桃香…。」

桃(この声は…お母さんの声…。久しぶりだなぁ…。)

桃(…。お母さんっ!?)

桃香はハッとなって目を開けた。するとそこには…
亡くなったはずの桃香のお母さん美香が立っていた。

桃「おっお母さんっ!どうしてっ!?」

桃香は驚きを隠せずいつもより少し大きな声で言った。

美「桃香…。いつまでも自分をせめるのはやめて…。」

桃「でっでも私がいたせいで、お母さんは…。」

美「でも、お母さんは桃香を恨んでなんていないわよ?」

桃「えっ?なっなんでっ?どうしてっ?だって私のせいでお母さんは…。」

美「だって…。だって、私の大切な娘…桃香を守れたんだもの…。」

桃「お母…さん…。」

急激に涙があふれてきた。でも悲しい涙じゃない。

桃(涙腺が壊れてるのかな…?)

美「やっと…伝えることが…出来た。」

桃「私…お母さんに、一番言わなきゃいけないこと…言えてない…。」

美「??何かしら?」

桃「お母さん…ありがとう。私を守ってくれてありがとう。」

桃(やっと言えた…。感謝の気持ち。)

美「どういたしまして。それでね約束があるの。」

桃「??約…束…?」

美「ええ。」

美香はニッコリしながら言った。

美「昔みたいに元気になってほしいの。声も大きく。」

桃「…。」

美「もちろん、友達とたくさん遊んでたくさん笑う事も入ってる。」

桃「…。」

桃香は黙ってうつむきしばらくすると笑顔で顔を上げ

桃「当たり前じゃんっ!!」

今まで誰も見たことの無いような笑顔だった。

美「そうそうっ!そのいきよっ!その笑顔を忘れないでっ!!」

と言ってだんだん薄くなっていった。

桃「待ってお母さんっ!!まだいっぱい話したい事がっ!!」

美「大丈夫。お母さんはいつでも桃香の心の中にいるから。」

桃「お母さん…。」

桃「ありがとう!お母さん!」

美香はニッコリ笑い、桃香もつられてニッコリ笑った。

桃「さようなら…お母さん…。」

美香はニッコリ笑った顔で鮮やかに消えていった…。」

桃香はふらついてその場に倒れた…。