ケータイ小説 野いちご

光のもとでⅡ

「学校に行けば嫌でも実感するよ」
 蒼兄に言われて、そうだね、と答えた。
 蒼兄はスーツを着ていて、唯兄はまだスウェット姿のまま。お母さんはジーパンにニットを着ている。
 この春、蒼兄は社会人になった。就職先はお父さんのところ。つまりは幸倉の自宅が勤務先。そのほか、秋斗さんの会社のヘルプにも入るとのこと。
 忙しそうだな、と思ったけれど、
「まだ始まったばかりだけど楽しいよ」
 と蒼兄は笑っていた。
 秋斗さんの立ち上げた会社はウィステリアヴィレッジの中にある。静さんにお願いしてマンションの一室を会社名義で借りたらしい。
 唯兄と秋斗さんは藤宮警備を辞めるつもりでいたけれど、今は二足のわらじ状態とのこと。どうやら、秋斗さんと唯兄が抜けてしまうとシステム開発に支障が出てしまうのだとか。そんな中、蔵元さんだけが退社という形を取ったという。
 こんな具合に家族の生活も一新され、まだ慣れない日々が続く。

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