ケータイ小説 野いちご

そして。
腐敗する様を観測している自分すら、やがて可視光域を離れた小さなガンマ線のような波長になった。

消え行く中、自分は思った。

自分をここまで追い込んだのは誰だろう?
と。

消え行く自分には、死にたいと言う気持ちはなく。
自分を死に至らしめた悩みも苦しみもない。


自分はふと考えた。


では、死に至らしめた悩みや苦しみは、どこにいったのだろう?
と。

腐敗した自分の体に置いてきたのだろうか?
・・それとも、死にゆくうちに忘れてしまったのではないだろうか?

ガンマ線は頭蓋骨を見ながら考えた。


そして・・・。

いや・・。
そもそも、生きている時から死に至らしめる悩みなんて最初から無かったのではないだろうか?

と。
そんな事をポツリと思ったのだった。

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