まさに、12歳ぐらいの大きさの男の子が、酔っぱらいに一発決めてるところだった。

そのとたんに、煩くなる人だかり。

「すげー」
「あの子強いねぇ?」
「よくやった。」

僕は、よく男の子を見ようと背伸びをする。

「!?」

僕が見た男の子は、顔の目にあたる所に包帯が巻かれてた。

つまり、男の子は何も見えないはず。

そんな状態で、大の大人を二人?

僕は、自然に口角があがってた。

「あの子何者なんだろう?」

平助は、背が小さいせいかピョンピョン跳ねながら見ている。

男の子は、人だかりを抜けて歩いて行ってしまう。

しばらくすると、人だかりは消えていく。

「総司」

「うん、大丈夫わかってるよ。」

一君の言いたい事は、大体分かる。

あの男の子を屯所に、連れて行く事。

「とりあえず一君は待機で、平助と僕で話してくるよ。」

「わかった!」

「あそこで待っている。」

一君は、僕らから離れてく。