「山南先生が明里姉さんのところに来はりましたえ!」


その一言で、総司はがばりと体を起こした。


「任務だ!」


あたしははだけた襦袢をかき集め、帯をしめなおすと、そのまま天井裏に忍び込む準備をしはじめる。


「総司、ごめん!

お小夜ちゃん、せめて美味しいものを食べさせてやって!」


「ちょ、楓!襦袢のまま行くのかよ!」


「あんたが脱がすからでしょうが!」


強い口調で反論すると、総司はがっくりと肩を落とした。


今回はさすがに可哀想だったかも……。


でも、仕事が1番、色恋は2番!


「早く帰れるように、がんばってくるね」


腰を下ろしたままうなだれる総司の額にひとつ口づけをし、あたしは明里さんの部屋へと向かった。