目を覚ますと、消毒液の匂いが広がる白い部屋。
病院の一室だった。
「....大丈夫ですか?」
そう言って私の顔を伺う看護師さん。
「......わ...たし....生きて...る..?」
「...もちろんです。...かすり傷だけでよったですね。」
「.....なんで....」
私がそう言うと看護師さんは微笑んだ。
「.....男性があなたを庇うようにして...」
「...........え?」
その言葉に頭が理解しない。
「.....その男の人って....」
でも私はヒロだとすぐわかった。
「..............」
俯く看護師さんに私は言った。
「.......どこ.....その人はどこ?どこにいるんですか!」
すると、看護師さんは病室の番号を言った。
私は起き上がり、その病室へと急いだ。
後ろから看護師さんの声が聞こえたが
止まって聞いているなんてできなかった。
言われた番号の病室へ近づくにつれ、医者や看護師が
慌ただしく動き回っている姿がみえる。
__もう。嫌な予感しかしなかった。
急いでヒロの病室のドアを開けた。
なのに、そこにヒロの姿はなかった。
「........何でっ....何で...こんな.....。どうして私じゃなくて......ヒロがっ....ごめんっ....ごめんね..ヒロ」
__ねぇ、ヒロ。
なんで私なんかを庇ったの?
なんで私を助けようとしたの?
ヒロはバカだよ。
でも、私はもっとバカ野郎だね。
ごめんね......ヒロ。
次から次へと溢れ出す涙。
「....ヒロっ....ヒロまで私を..ひとりにしないでよっ.....
.....お願いだから...いなくならないでよっ.......
ひとりはもう....もぅ......や....だよっ.......」
きっと圭ちゃんの時と同じように、
私は何度も何度もヒロの名前を呼んでいただろう。
私は立ち上がり病室の窓へと向かった。
そして、窓を開ける。
ここは何階だろうか、下をみると以外と高い。
ここから飛び降りれば…死ねるだろうか?
_私は窓の縁に足をかけた。
__ごめんねヒロ。ごめんね圭ちゃん。