そしてあたしを……「アズ」と呼んでくれた。 アズって呼んで、って言っても、弟たち以外からはずっと梓君って呼ばれてたのに。 単純なことで……なんでこんなにも嬉しくなるんだろう。 この子のこと、好きだ。 今日はじめて会ったのに、純粋にそう思った。 「……よろしく、洸」 あたしが手を握り返すと、ただ、握力だけを褒められた。 ……悲しい。