「それと千夏。
お前、週刊誌の記事が出てから、なにかで変わったことなかったか?」
「えっ…?
…大丈夫だよ」
「本当か?
学校で噂されたり、友達に無視されたり…」
「真尋くん!
それで私のこと悪く言う人は、友達なんかじゃないから」
「…そっか」
「うん…。
心配してくれてありがとう。
日曜日、楽しみにしているね」
最後にそう言って、私は電話を切った。

久しぶりに聞いた真尋くんの声。
素直に嬉しかった。
また、すぐに真尋くんに会えることも嬉しい。

でも。

やっぱり留学の話は本当なんだ。

真尋くんと離れてしまうのは寂しいけど、バスケが大好きな真尋くんを、しっかり見送ってあげられるかな?

それとも…

『行かないで』、『そばにいて』って、わがまま言ってもいいのかな?

そんなことを考えて、その日は眠れぬ夜を過ごした―