そう言えば、こんなコトもあったっけ。


「今日はお土産があるの。
どうぞ、お団子よ。」


「ありがとうございます…
わざわざ買ってきて下さったンですか?」


「んーん、盗ってきた。」


「…
ナンデスッテ?」


「盗ってきたの。
店先にたくさんあったから。」


「…
それは…
雑、で済ませてイイのかな…」


うん。
アウトだね。

相変わらず黒装束を着た彼女は、相変わらず雑だ。

だが、ネジが飛んでいるというより、子供みたいな人だと感じるコトが多くなってきた。

子供らしい真っ直ぐで純粋な優しさを、彼女はソージに与えてくれる。

なんの躊躇いもなく、背中に触れて。
なんの躊躇いもなく、胸に触れて。
なんの躊躇いもなく、血に触れて。

見る者が驚愕と恐怖に言葉を失うほど、『死』そのものと言えるような姿になったソージに、なんの躊躇いもなく触れて。

子供のような人だから、死に対する恐怖心が薄いのだろうか。

ピンとこない、というヤツなのだろうか。

だから彼女は平気でソージに触れ、剰え病んだ血を舐めたりしたのだろうか…