部屋着を脱ぎ、制服に着替えながら考えるのは、やっぱり龍平の事ばかり。


カラダ探しなんてやってなければ、すぐにでも付き合ってしまいそうなくらい、胸が苦しいのに。


「何考えてんのよ……ダメだよ。今日が終わったら……龍平にはもう会えないんだからさ」


机に手を突いて、そう考えると涙が溢れそうになるのを我慢して。


私はカバンと携帯電話を持って部屋を出た。


いつもと同じように階段を下りて、洗顔と食事。


今日のお弁当を冷蔵庫の中にある材料で作って、お弁当箱に詰める。


冷凍食品だけど、唐揚げとハンバーグをいっぱい詰めて。


ご飯のスペースがほとんどないくらいにギッチリと。


「はい、でき上がりと。あいつ、肉が好きだからね」


別に、お弁当をあげるわけじゃないのに、どうしてか龍平が好きな物ばかりだ。


でき上がったお弁当を改めて眺めて……私は溜め息を吐いた。











バカじゃないの? 


あんなやつに合わせる必要ないんだって。


いなくなる人を好きになっても、悲しくなるだけなのに。


それが嫌だから、私は好きにならないって決めたのにな。


しばらくお弁当を見つめたまま、どんな顔をして会えば良いのかを考えていた。