水樹さんが別府に引っ越してきてから1ヶ月。
引っ越し日からバタバタしてたり、真くんが水樹さんにべったりで離れなかったりして、なかなかゆっくり二人では会えなくて。
今やっと、あの引っ越しの日に水樹さんから貰った鍵を使うときが来た。
合鍵とか! 合鍵とか!!
なんか恋人みたいで……いや、恋人なんだけど。
きゃー!! 駄目だ! 緊張して鍵が震えてオートロックが開けられない。
「あ、みなみちゃん」
一人じたばたしていると、後ろから真くんの声がした。
「だれ?」
「ぼくのみらいのママだよ」
「ま、真くん!!」
慌てて振り返ると、真くんはポニーテールの、真くんよりちょっぴり年上の女の子と手を繋いで私を見ていた。