「あーあ、三浦君の彼女になりたいなー」

 四人がけのテーブルに顔を伏せてしまった比奈子は、大きくため息をついた。

 比奈子は私の親戚で親友だ。クラスは違うけれど、同じ高校に通っている。

 弓道部の三浦君に片想い中で、しょっちゅう図書室から弓道部を眺めているんだ。

 それに付き合わされる私も私なんだけど……三浦君はカッコイイから、付き合わされてもまあいいかなって思う。

「告白すればいいじゃん」

「ムリ! ムリムリムリ!」

 真っ赤な顔で比奈子はぶんぶんと首をふる。

 そうしていると、すごく可愛いから比奈子が何で告白しないのか、私にはよくわからなかった。

 三浦君だって、比奈子に告白されたら絶対嬉しいと思うんだよね。