ブレットさんは御堂先生と何か話した後、私の方をちらりと見た。



「手術、受けることにしたんだな」


「うん、成功するかは分からないけど、やれるだけやってみようと思って」


「失敗することは考えるな、心を強く持て。
......生きるんだ」



ブルーの目でまっすぐに私を見るブレットさんを見つめ返し。

彼の言葉に頷くと、ブレットさんは私と手のひらを合わせた。


なんだろう、触れられた手のひらが、......熱い。 


昨日の夜、千明もこうしたけど何か意味あるのかな?

触れられてじんわりと熱くなった手のひらを、ブレットさんが去っていった後もじっと見る。



「サイキック同士は、手から力を分け合うことができる。......ほんの、わずかではあるが」



私たちのやりとりを見ていたであろう御堂先生が、横目で私を見た。


二人とも、力を......、分けてくれたんだ。
まだ会ったばかりの、私のために。


現金にも急に力が湧いてきたような気がして、ぐっと手のひらを握って、運命の第一歩を踏み出す。


......生きるよ。
生きるんだ、絶対に。