私は考えて、
「ありがとう。
でも今日は、もうやめておくよ」と答えた。

うん。
自分でちゃんと決めないとダメ!
無理はしないと決めた。
私が自分で決めた目標を達成するために。

その試合は結局、私たちのクラスが勝ち優勝できた。
試合終了と同時に、私のところに「やったね」と言いにきたのは実穂。
私は嬉しそうに私の手を握り喜ぶ彼女を、少し複雑な想いで見た。

彼女に対して抱いている小さな疑惑。
それを確かめために、私は口を開いた。

「やったね、千夏!
さすがだったよ」
「………」
「どうしたの?
あっ、足、まだ傷む?」
「………」
「ねぇ千夏…」
「あのさ、ごめんね。
変なこと聞くけど、本当にそう思ってる?」
「えっ…?」
「本当に勝って良かったって、思ってる?」
「はっ…、もちろんだけど」