ケータイ小説 野いちご

【完】神様のうそ、食べた。



水族館の思い出は、部長にあんなことされてからは散々であまり記憶が無い。

覚えているのは、びしょ濡れになった私と部長は、セイウチのイラストが描かれたTシャツをお土産屋で買って着替えて、明美先生と侑哉の元へ行ったのだけど、
同じくイルカショーでびしょ濡れになった明美先生と侑哉もそのTシャツに着替えていたので、四人でペアルックになってしまったこと。

部長は普通で。帰りの車の中でもただ黙って煙草を吸っていた。


――あの唇に私は触れたんだ。


部長は言葉はくれなかった。
でも、その言葉をくれた時、私は前を向いて歩けるのだろうか。

――あの夜、侑哉に抱きしめられたのに。



朝のバスのお迎えでは、部長の顔なんて全然見れる余裕なんてなかった。




「デート!?」

夏に向けて、花壇の草むしりを終えたので、今度は土に肥料を混ぜていた時だった。
るんるん気分で肥料を混ぜる明美先生に聞いたら、こっそりと教えてくれた。


「やーん。声が大きいですよ―」

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