ケータイ小説 野いちご

【完】神様のうそ、食べた。




一瞬だった。

目を見開いた瞬間、部長の顔が近付いてきて、指先が唇をなぞったかと思うと、
雨で濡れた部長の唇と重なった。



キス、されているのだと気付いたのは、部長の顔が離れてからだった。



潮の湿った匂いと、アスファルトに雨がしみ込む匂い。

その中で私は、自分の涙の味と部長の苦くて煙草の味がするキスに、

ただただ呆然としていた。

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