横に視線をずらしたら、部長が私を見て面白そう に笑っている。 「お前の弟、めっちゃシスコンだな」 「ちがっ」 「侑哉くん?」 明美先生が侑哉の顔を見て、目を丸くする。 「やーん。侑哉くんだ! 同じ高校だった侑哉く ん!わー懐かしい!」 「あ、明美……」 侑哉も今気付いたのか、驚いた顔をした後、甘く 微笑んだ。 私たちを置いてけぼりにするような、二人だけの 顔で。