なんだか自分の手が自分の手じゃないみたいに思えてくる。



「ナイスアシスト!」



また自分の手をじっと見ていると、自称ヒーローにハイタッチを求められたので、その手を軽く叩く。


アシストしたつもりはないけど、さっきの私のアレで最後だったみたいで、もうムキムキ集団は全員ネットにおさまっていた。

ネットの中でもがきながら、叫んでいる。


これから彼らはどうなるんだろう。
やっぱり警察行きかな......。

さっきの血まみれの人たちは、どうなったんだろう......。


それから、それから......。
このイケメン二人は何者なんだろう。
目の前で起きた不思議な出来事は?


聞きたいことはたくさんあるけれど、信じられないことがいっぺんに起こって、何から聞いていいのか分からない。


それに、何でだろう。
足に力が入らない。


 
「お嬢さん、お怪我はありませんか?」


「Are you OK?」



フラフラしていると、自称ヒーローに手を差しだされたけど、その手を無視して、金髪の人の手を掴む。



「お......おーけー......」
 


しだいに全身に力が入らなくなっていくなか、絞り出すようにそれだけ言うと、私は金髪イケメンの方に倒れこんでしまった。