翌朝霧島はパチンコ屋の前に並んでいた。
開店時間になり並んでいた人達がパチンコ屋に入っていく。それぞれが狙っていた台目掛け小走りに入っていく中霧島は考えていた。
(遊パチで玉を増やすかいきなりMAX打つか…やっぱりMAXだ)
遊パチとは出玉が少ないが当たりやすい台。MAXとは当たりにくいが当たれば一発狙える。霧島は残りの3000円を握り締めMAX機に座った
『頼む…』
そうゆうと打ち始めた。1000円分の玉が呑まれ2000円分の玉が呑まれ霧島はもう諦めムードだったが2500円目に熱いリーチがかかる。
『檄熱!当たれ…』
霧島の願いは叶い見事大当り連チャンが始まった。
霧島はその後連チャンが終わったかと思うとまたすぐ当たり最終的に30000発流し12万手に入れた
『よっしゃ!今日は焼き肉だなぁ』
『へぇ…焼き肉行く金はあるんだな。霧島さんは』
霧島の肩を掴みながら男はニコニコしながら言った
『龍崎さん…』

霧島は男の顔を見てそうゆうと持っていた12万を渡そうとした。
『いやいや、勝ったんでしょパチンコ。せっかく勝った金を取り立てようとは思いませんよ。ただね霧島さんにお話を持ってきただけなんですよ』
やんわりとした口調で龍崎は霧島に話を続けた。
『世の中金…金…金じゃないですか。そんなん楽しくないでしょ。霧島さんは借金から逃げてて楽しいですか?楽しい訳がない。だからね私が貴方の借金全部支払いましょう。ただし条件が幾つかありますがね』

タバコを取り出し吸いだした龍崎の奥から2人のヤクザがやって来た。前夜霧島の部屋を張っていた2人だ
『霧島ゴラァ!!逃げやがって』

ヤクザの1人が霧島に殴りかかろうとすると龍崎が止めた
『止めてもらえませんかね…霧島さんはうちが引き取ったんでね…』

『兄貴こいつ…龍崎って奴ですよ!!最近負債者の借金肩代わりしてる奴です』

『ほんなら800万払ってくれるって事やな!?』

『払いましょう。ただし今は手持ちが無い。一週間後に届けますよ。だから今は消えてもらえませんかねぇ…すぐに』

そうゆうと龍崎は2人のヤクザを睨み付けると、ヤクザ達は何か言いたげな表情のまま去っていった
『さぁ。霧島さんは僕と一緒に来てもらいましょうか。今後について話しましょう』

龍崎は霧島の肩を叩きついてこいと言わんばかりに歩き出した

『最近は負債者が多くてね。全員から取り立てるのは難しくなってきた。そこである提案があるんですよ。霧島さん』

歩きながら龍崎は霧島に話をした。

『どんな提案?蛸部屋行きすか』

霧島は肩を落としながら歩いていた
『蛸部屋何て古臭い真似しませんよ。ただギャンブル好きでしょ?霧島さん。上手くいけば貴方は借金帳消しの上に稼げるかも知れませんよ』

龍崎は笑いながら言った

『賭けるも何も自分は今12万しか持ってないですよ…それにギャンブルで借金作ったのにギャンブルで返済だなんて』

『賭けるのは金じゃない。あんたの命だ。真面目な話あんたの借金全部で3000万近くある。借金帳消しとはあんたの死か、ギャンブルで勝つかで変わってくる。ギャンブルに乗るしかあんたには選択肢は無いんだよ』

龍崎は真面目な顔をして霧島に言いまたニコニコした表情に戻りまた歩き出した

『そんな難しい事じゃないでしょ?このまま逃げてて幸せになれるとでも?その可能性はまず無い。自己破産したって闇金の奴等を追い払うのは難しい。だったら一生一度の大勝負したって良いじゃないですか。霧島さんこのギャンブルただのギャンブルじゃない。霧島さん同様皆借金地獄の人達が今も生死を賭けてやってるんです。まぁ逃げるも勝負するも霧島さん次第ですが、この場所に明日夜の9時に来てください。来なければどうなるか解ってますよね?』

龍崎が立ち止まるとそこには廃墟のビルがあった。
『何のギャンブル何ですか?命を賭けるギャンブルって』

『それは明日解りますよ。まっ今日は焼き肉でも食べて今日を楽しんで下さい』
龍崎はそう言うと廃墟のビルに入って行った。

『命のギャンブルか…逃げれば殺されるのが落ちだろうなぁ…来るしかないか』
霧島は廃墟のビルを見上げた後その場を後にした。