コンビニに戻った時はもう夕方になっていた。


社長に手応えを報告しようと、事務所に入ると母がコンビニの制服を着てるし。


慌てて駆け寄るとどう中々似合うでしょと笑顔で、私を見つめる。



コンビニの制服は誰にも似合うと思うけど。



働いた事がない母が心配だ。



でも、美莉に勤まるなら簡単よと言われてしまう。



「美莉には絶体勤まらないと思ってたのに。 私だってまだまだ頑張れるわよ。」


そう言われると返すことばもないけど。


母が私の後にいた聖夜を見つけると、目を輝かせた。



「あなたが噂の聖夜君ね。」


噂の聖夜君って何。



聖夜の噂を誰がしてるの。



「美莉には本当勿体ないわ。母さんがもう少し若かったら、お付き合いお願いしたかったわね。」



冗談は顔だけにして下さい。



イケメン好きな母にはたまらないようだ。



聖夜にべたべた触ってるし。



「母さん、聖夜が困ってるよ。」



あら、そうなのと言いながら、まだ触ってるし。



聖夜、ごめん。



うちの家族はみんなキャラが濃い。



私だけが内気で、みんな明るい性格。



私は人見知りが酷くて、友達も作れなかった。


暖かな家族に恵まれて、私は本当に幸せだと思う。


姉は母を上回るほどのイケメン好きを思い出して、ぞっとした。