「千夏たち、ダンスに参加しないの?」
真由が尋ねてきた。

「う~ん、迷い中」
代表して薫が答えた。

「余計なことかも知れないけど…」
そう頭に付けて佐藤くんが話し出した。

「参加してきた方がいいですよ。
真尋兄ちゃんと浅井のお兄さんを誘いたがってる女子、たくさんいるし、
逆に、浅井と宮野に声をかけようとしてる男子もたくさんいるから。
そういうやつらに牽制の意味も兼ねて、見せつけてくればいいですよ」

佐藤くんが話し終わると、
「薫、行くよ!」
お兄ちゃんが薫をダンスの輪に連れて行く。

その薫は、
「千夏たちも一緒!」と言って、私の手を引っ張る。

私は困って真尋くんを見る。
すると、
「シゲ!
俺たちを先導して行ってくれよ」と、佐藤くんに言った。