その瞬間―

勝負がついた。

真尋兄ちゃんの勝ち

『佐藤さんのシュートが見事に決まりました!
よってフリースロー対決は、佐藤さんの勝ちとなります!』
進行役の言葉に、拍手が沸いた。

敗れた高野が真尋兄ちゃんと握手をした。
「さすがです!
参りました」

俺も2人に近づく。
「真尋兄ちゃん、さすがだったよ!
でも高野もすごかった。俺だったら負けてたと思う…」

「シゲ!キャプテンがそんな弱気じゃダメだ!
全国、行くんだろ?」
「そうだよ佐藤。
生徒会としても、バスケ部には期待してるんだから、頑張ってくれよ」

何故か2人から、バスケ部を激励される。

「あっ、ごめん。俺、先に行くから。
…千夏、行くぞ!」

真尋兄ちゃんは、浅井の手を引いて体育館を出て行った。