「…弘樹はさ、なんでそこまでできるの？」

ふと、こんなことを聞いてみた。

毎日一生懸命こっち側に来ようとしてるのは、痛いほどわかる。

けど、それでも私はそれには答えられない。

あの日。

なぜ、私が過去のことをこいつに話せたのかはわからない。

なんとなく、こいつに話してみようって気になった。

誰にも、このことは話したことはなかった。

…いや、1人いたか。

さやか。

あいつにだけは一度だけ、簡単にではあるが話したことがある。

さやかは全く興味なさそうに聞いてたけど。