ケータイ小説 野いちご

リーフェの祝福 Ⅱ



 王宮内にある千人は入ろうかという広さの広間、真っ白でシミ一つ無い綺麗に磨かれた床には巨大な魔法陣が浮かび上がっている。

 その魔法陣の周りでは幾人もの研究者と思しき格好の者達が忙しなく動き回っている。

 これから長距離の転移魔法が行われるからだ。



 転移魔法とは入口と出口を作りその間を移動する魔法。
 出入り口を作るにはその目で場所を確認しなければならず、使用者が認識出来る視界に映る範囲までしか移動出来ない。


 しかし、長い年月に渡る研究で作り出した魔法陣をあらかじめ出口に刻み込み、その他幾つかの制限により、長距離の移動が可能となった。


 転移門と呼ばれるこの魔法は、何代にも渡った研究者達の技術の結晶であり、何百人もの人や物を移動出来る事から軍事利用の恐れもあると外部には秘され、転移門が使用出来るのは発明した国であるガーラント王国のみ。


 そして、使えるのは王と王太子の移動、もしくは緊急時のみとされている。


 今回の使用目的は前者で、魔法学園の合宿を見学に行く為、国王ベルナルトと王太子アレクシスがバーハルの訓練所に移動する為の調整が行われていた。







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