「で?そいつが俺の事を好きだと…。そう言ったってこと?」
「あぁ…はじめから一目惚れしてたよ~アイツ!俺が由吾の事好きだって分かった途端…宣戦布告してきたんだよ!!『俺が先に好きになったんだから、後釜のお前にはやらない!!』って。」

…。驚きすぎて、ぐうの音も出なかった。
「だから、俺も受けてたったんだけど…。お前が隼のこと呼び出したから、ありゃ、これは負けた!!って思ったわけよ!!」
気がつくと、黛騎は俺の手を握りながら話をしていた。
「はぁ…。」
「けどさ…あとから聞いたら、あいつの目の前で階段から落ちたって…。」
そう…それから俺はあいつの記憶をなかったことにしようと決めたわけで。

「しかも、お前が隼のこと忘れたなんて言うから…。アイツ、2.3日泣いてたんだぞ~!」
は?そんなに!?
「嘘でしょ?」
「ガチだよ!!ガチ!!その時に本当に負けたって思った。俺…そこまで好きになれなかったもん…。」
「…そうなんだ…。」
「今だって負けを実感してるって訳!!」
え?もう、あれから2年たってんだけど…。
俺は恐る恐る聞いた。
「何で?もう時効だろ?」
「そりゃ…え?お前、気づいてねぇの?」
「?」
何のことだろう…。
「マジかよ~!!おまっ…どんだけ鈍なんだよ~ハッハッハ!!」
いや、ハッハッハじゃなくて、説明しろよ…。
俺が睨んでいるのに気づいたのか、黛騎は口を開いた。
「だ~か~ら~!!お前をあの店から買って、今一緒に住んでんのが…斉宮隼なの!」
…え?
「え゛ぇえええ~!」
俺は、自分でも聞いたことないくらいで買い声で叫んでいた!!
「お前、声でかいよ(笑)!!」
「だ、だってぇ~!!」
あり得ない…。隼はあんなに優しくなかった。