ケータイ小説 野いちご

鬼麟2

ああ、この人はどうしてこんなにも重いものを背負うのか。
あまりにも酷い。
「“雛菊”は、捜しています。あなたのことを」
どのタイミングで言うべきか、迷っていたが、覚悟して言う。
どんな顔をするか、わかっていた。
「なんでっ……諦めたんじゃないの!?」
苦渋に満ちた声があまりにも痛々しくて、目を瞑り、耳を塞ぎたい衝動に駆られる。
怒りが、殺気となって部屋の空気をさらに悪くする。
「俺は詳しく知らない。けれど一人、詳しいというか、最近まで“雛菊”を調べてた情報屋なら知ってます」

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