眉間に皺を寄せたまま、舌打ちをするお嬢。
極僅かだが、殺気が漏れていて、さっきから居心地が悪い。
もっと言えば、生きた心地すらしない。
それほどまでに、濃密かつ鋭利な空気。
ひしひしと肌を通して伝わる、殺したいという願望(おもい)。
「お嬢、確実性はあったほうがいいと思います」
「情報なら、欲しいよ。全部。でも手段がない。ツテは……」
暗い顔をする。
より一層深くなった眉間の皺に、光の消えた目。