お店に戻ると、聖夜が綺麗なお姉さんと話していた。



声をかけずらくて、後ろに下がろうとしすと、聖夜に腕を捕まれた。



「店長、紹介します。同じ専門学校に通ってる、三上千春さん。」



睨まれてるみたいなんだけど。



そう、感じるのは私だけですか。



「店長、三上も明日バイトにも入ってくれるので、三上には週2でバイトを頼みたいけどいいかな。」



「聖夜と同じ日にしてくれるなら、いいよ。」



聖夜は驚いてるみたいだけど、三上さんの気持ちに気付いてないのか。



三上さんが聖夜を好きな事。



人の事になると、直ぐに気付いてしまう。



ああ、一難去って、又、現れましたか。



「三上、俺と同じ日は無理だからな。俺は店長と同じ日に休みたいからさ。」



三上さんに又、睨まれた。



「聖夜の付き合ってる人って、店長なの。」



聖夜が、そうだよ。



可愛いだろと言って抱き寄せた。



「オバサンじゃん。」



オバサンで悪かったわね。



ふん。



オバサンで何が悪い。



「美莉はオバサンなんかじゃないから。お肌もつやつやで、超可愛いんだからな。」



バカっじゃないのと、鼻で笑われた。



強敵現わる。



こうなると、負けたくないと思うんだよね。



「三上、明日よろしく。美莉行くぞ。」



ああ、はい。



でも、何処にいくのかな。



事務所に入ると、いきなり抱き締めてきた。



聖夜、離して。



「美莉が心配するような事は何もないから、そんな顔をするな。」



どんな顔をしてたのだろ。



聖夜はいつも私を優先してくれる。



聖夜をしんじていれば大丈夫なのに、私って本当にバカだ。



「聖夜、大好き。」



「当たり前だろ。」



明日のバイト事を聞かなきゃ。



聖夜の母校も知らないし。



「明日のバイトは高校生も来るの。」



「専門の奴が二人と、高校生が二人。」


「聖夜の母校の子が来るの。」



俺の母校の男子校は明日は体育大会じゃないから、頼んだらしい。



聖夜が男子校だと言うことも知らなかった。



男子校の裏に、もう一つ高校があることも教えてくれる。



明日は聖夜と二人で朝6時出勤、今日は深夜までだから、明日朝早いのはきつい。


コンビニの仕事は本当に大変。



お茶とジュースの補充をしていると、おかしな動きをしてる高校生を見つけた。



あれ、今ポケットに何かを入れたような。



近くには誰もいなくて、聖夜は休憩中。


ポケットにしまってあるスマホを取り出して、聖夜に電話した。



私が話してる途中で、聖夜が店に出てきたけど、その高校生の姿は見えてないようで。



あ、レジを通らずおもてに出て行こうとしてる。


私は補充するる手を止めて、店に戻ると同時に高校生を追いかけた。



足だけは早い。



高校生の腕を掴む。



ヤバい。


身長が180はありそうだ。



それに体もでかくて、力がありそう。



だけど、このままには出来ない。



「ポケットに入れてものを出しなさい。」



彼が私の手を振り払い、逃げようとする。



だから、逃がしませんからね。



「店長、大丈夫ですか。」



聖夜が来てくれたんだ。



怖くて体の震えがとまらない。



「おい、万引きしたものを出せよ。」



彼はまだ逃げようとする。


聖夜が高校生の胸ぐらをつかんで、投げ飛ばした。


聖夜、暴力は駄目だよ。



高校生は起き上がると、正座をした。



もしかして、聖夜の知り合い。


「田中、これで万引き3回目だぞ。」


高校生は許して下さいと、何度も頭をさげた。


田中君、万引きは絶対駄目だよ。



田中君が万引きしたのは、小さなガムを一個だけ。



お金は持っていたのに。



イライラしてやったようで、警察には引き出さない代わりに、聖夜が店でバイトをしろと言った。



そんな、無謀な。



田中君を働かせて大丈夫なのだろうか。



かなり、心配です。