ケータイ小説 野いちご

【完】籠球ロマンティック




葉月がいつもの高架下のコートに行くと、恋夜、律子、論理の三人が大学生らしきボーラーと3on3をやっている。


司令塔の律子から絶妙なパスが渡り、そのボールは恋夜の元へ。


恋夜の一年のブランクを感じさせないスピード感のあるドリブルに、相手は翻弄され、集まったギャラリーが湧く。


そのギャラリーの殆どが三人が通っている学校の者達で、恋夜が加入してからは特に注目度が上がっている。


……おっ、巧い。右に抜くかな。


巧みなボール捌きをしていた恋夜が足踏みをして動きを止めないまま、何てことない、というようにフェイクを入れる。


そのバックロールの捌きは高校生のレベルを逸脱しており、恋夜のハイレベルさを物語っている。


しかし、相手のボーラーもなかなかの手練れのよう。バックロールからのコースを予測し、ボールを奪いに手を伸ばす。


「残念。左だよ」


しかし、恋夜は更に一手先を見ていた。


右に傾いていた体を、ぐるり、とまるで踊るかのように、それはもうごく自然な動きで翻し、相手の隙だらけの左側から抜き去った。


「わーお、バックロールターンときた。最近の若い子はスゴいねぇ」


恋夜のレベルの高さには驚かされてばかりだ。そのレベルの高さに、葉月は身を乗り出した。

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