ケータイ小説 野いちご

幕末オオカミ 第二部 京都血風編



そう言うと総司は、ぽんぽんと頭をなでる。


なんだ……照れてるのか。


そうだよね。


一番隊隊長が隊士の前で女といちゃいちゃするわけにはいかないよね。


「ごめん。つい……嬉しくて」


だって、久しぶりに会ったんだもん。


「だからそう……可愛いこと言うなって。
必死で我慢してるんだから」


総司はあたしの手を引き、川辺に腰を下ろす。


あたしは導かれるまま、その横に寄り添った。


「すごい星。降ってきそう」


夜空を見上げると、隣の総司がうなずいたのが気配でわかった。


「あの空を見ていると、故郷のことを思い出す」


「故郷って……江戸だっけ?」


「ああ。よく一人でぼんやりと星を数えたもんだ」


そう言って、総司はあたしを抱きしめる代わりに、ゆっくりと話しはじめた。


大切な思い出を、ひとつずつ……。




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