「か、楓?お前、どうして……」

「えへへ、来ちゃった!
あ、別にあんたに会いたかったんじゃないから。
ちゃんと山南先生の命令で、来たんだよ」


あたしは書状を届けてきたことを、簡単に説明した。


「……用事が終ったなら、なんでまだいるんだよ」


総司は難しい顔で、あたしをにらむ。


「ダメなの?」

「ダメっていうか……怪我はいいのかよ。
ムリしないで、屯所に帰れ」

「傷ならいい加減、ふさがったよ。
みんなと別れてから、何日経ったと思ってんの?」


なによ。


心配してくれてるのはわかるけど、もう少し嬉しそうな顔してくれたっていいのに。


「それに、みんなと一緒に戦いたかたんだもん……迷惑だった?」


また、足手まといになりそうだから?


見上げると、総司は大きな手で顔を覆ってしまった。


「……バカ。迷惑じゃねえよ。
会いたかったに決まってんだろ」


夜だからあまりよく見えないけど、顔が赤くなってるみたい。


「けど、その辺で隊士たちが見てるから……にやけないように必死なんだよ。
それくらい理解しろ」