ここに来たときには


気づかなかった……


1人だけ黒髪のひと。




金色銀色の髪色のなかで、

かえって艶やかな黒い髪が目立っている。



いちばん鋭い目をしているその人は、

まだじっとこちらを見つめている。



大きな体と

整った顔立ちと

艶やかな黒髪

そして、美しい瞳が

その存在を尚更に鋭くさせていた。




お兄ちゃんが私に振り向くことなく公園に戻ったのを確認して、

私は慌ててその場を離れた。